新・私の独り言


 3月11日に忘れる事のできない大きな衝撃があった。そう思うの、は私だけではないだろう。

 テレビから流れてくる映像にショックを受け、何も手に着かない日々が続いた。私にとって不幸中の幸は、東北地方在住の何人かの知人は震災にあったものの、一週間後には全員の無事が確認できた。

 私は2月の初めから部屋の片付けを始めていたが、未だ予定の数%しか進んでいない。それに追い打ちを掛けるような大震災。人生の虚しさが強烈に覆い被さって来た。独り言をつぶやく事さえままならない状態であった。

 そんな状態の中で季節だけは無慈悲に過ぎていく。気を取り直して部屋の片付けを続行することにした。それほど大きなスペースを占めている訳ではないが、長年記録してきたVHSのビデオテープを思い切って廃棄する事にした。ほとんどがテレビ放送を録画したもので、さして貴重な映像などはない。ただ、中身によってはDVDに焼こうと思うものがあり、この時間にもパソコンに録画している。

 倍速録画など出来ないために、二時間はそのままの形で付き合わなければいけない。古いものだと画像もかなり劣化しているが、当時の想い出を残す為にも焼くことにした。ただ、この作業をしていても東日本大震災の事が脳裏を離れない。想い出を残して一体何になるんだろう。自問自答をしながら、ひたすら一日が過ぎるのを惜しむばかりである。

 何十時間も回していたビデオデッキのリモコンが急に作動しなくなった。それにあわせたように、焼いていたLGのスーパーマルチDVDプレーヤーが突然おかしくなった。焼けないとエラー表示が出て、DVDを取り出そうとボタンを押した瞬間、何かが擦れるような音がして、内蔵のデッキが動かなくなった。ありゃりゃ!壊れた??仕方なくノートブック用に持っていた外付けのDVDデッキで焼くことにした。

 昼食を済ませて、再挑戦したら不思議な事に内蔵のデッキはまた動き始めた。しかしビデオデッキのリモコンは相変わらず作用しない。見えにくい眼でビデオデッキに顔をよせボタンで動かすのだが、パソコンのモニターに背を向ける姿勢なので、なかなか上手く行かない。ソフトはNESのSmartVisionだが二層DVDには対応していないためにサイズは4GB以下にまとまるようにしないと受け付けない。録画そのものはハードディスクの空きがあれば何十時間でも可能だが、受信がデジタル化された為にテレビ録画は出来なくなってしまった。非常に不便である。

 貧乏なくせに最近DVDレコーダーを買った。もちろん地デジ対応の一環である。だいたいNHKが地デジなどと言い始めるから、余計な出費となった。聞くところでは地デジ化で日本経済は220兆円のお金が動くらしい。美味しい思いをするのは家電業界だろう。風が吹けば桶屋が儲かる方程式で言えば、家電業界が潤えば最終的には全国民が潤うのであろうが、どっこい、何時もどこかでストップするだろう。
 エコカー減税、エコポイントに踊らされた時も自動車産業、家電業界は好景気に沸いたらしい。しかし、そのおこぼれに預かることが出来たのは極一部であろう。しかも、その財源には車とは無縁な貧民から搾り取った税金も含まれていると思えば、腹が立つ。まあ、腹が立つが我慢するしかない。言ってみたって、ごまめの歯ぎしりだ。
 
 この歳になってまた新しい事を覚えなければならなくなった。最近は新しいことを覚えるのが苦手である。テレビの近くにはリモコンが三つある。テレビ、DVDレコーダー、ケーブルテレビのチューナーの三個である。それぞれ電源のボタンの位置が異なっている。まず三種類のリモコンの操作の訓練からしなければならなかった。未だに不慣れである。ビデオ時代が懐かしい。聞いた話ではビデオですら操作出来ない人が居るらしい。人には得手不得手がある。機械操作が苦手ではない部類だった私にも、ケーブルテレビのチューナー、DVDプレーヤー、地デジ対応ハイビジョンテレビの接続には悩まされた。だいたいケーブルは裏でつなぐようになっている。裏は暗いために懐中電灯とマニュアルを離さず線をつなぐのだが、目が悪いために記号が見えない。

 しかも取説を読んでも理解出来るような書き方がない。

 録画は簡単にできるのだが、画質などの説明が判りにくい。
番組で予約することは便利である反面、自分の意思で録画をする事が出来ない。というのは、レコーダーが認識する番組は地デジに限定される。衛星放送とかCATVはケーブルのチューナーを通さなければいけないのだが、それはテレビの画面をビデオ1にしなければいけない。そこで三個のリモコンがあることが混乱に拍車をかけてしまう。(まあ初期のビデオはだいたい2チャンネルで見る設定になっていた。その後のテレビではビデオ1とか2とか選ぶようになったみたいだが)

 録画は出来たもののDVDに焼くことが出来ない。
 私の頭にはCPRMに対応しているメディアを使えば良いのだろうと思っていた。取説の何処を読んでも、メディアは必ず初期化しろとは書かれていない。焼こうと思っても(ダビングといっちょ前に書かれているが)このDVDは未対応です。と言う冷たいメッセージがでるだけである。後から詳しい人に聞いて、CPRM対応といえども初期化しないといけないと言われた。パソコンを使っている人なら「初期化」という言葉にはある種恐怖感を覚えるのではないだろうか。新品のDVDを入れると「新しいディスクが挿入されました」と言うメッセージがでるが、使用するために初期化してください、とは出ない。これは各メーカーで対応が違うらしいが、私のレグザに限って言えば不親切きわまりない。

 何とかDVDを初期化してダビングすることには成功したが、何故か高速ダビングが出来ない。数枚は高速でダビング出来たが、ほとんど等倍である。
 唯一便利なことはパソコンでDVDを焼くとだいたい2時間ちょっとしか焼けないが、私のレコーダーではかなり多めの時間でもぴったりダビングという機能で一枚のDVDに収まるように圧縮してくれるみたいだ。
 取説は少し薄めのものと宇和島市内の電話帳ほどの厚さのもの二冊がある。これを読んでもさっぱり判らない。しかもほとんどテレビを家政婦が独占している。
 だいたい機械類は使いながら操作に慣れるものだと思う。取説だけ読んでもすぐには理解できない。
 おまけにレコーダーのリモコンにはやたらとボタンが多い。中央にある輪っかが二重になっていて、それぞれ機能が違うため押し間違えることがよくある。

  改めて地デジ化移行を恨めしく思った。(平成23年4月某日)


重く折れそうになる心を紛れさせるために大洲に行った。


ある日気が付けば、天赦園グランドが無くなっていた。


何でも聞くところでは公園になるらしい。


市立病院建設中には駐車場としても使われていた。

最近耳が遠くなってきた。テレビの音がうるさいと家政婦に言われる。アナウンサーの声は聞きやすいが、一般人の言葉が聞き取りにくくなった。少し前だが、自分でも情けなくなった事があった。

「今晩のテレビ映画はなんぞ?」
ある日尋ねた私に

「現金と座布団」
新聞のテレビ欄を見た家政婦が答えた。

「は?」
私は耳を疑った。そう、疑って当然である。
正しくは、ウーピー・ゴールドバーグの出演する
「天使にラブソングを」であった。

だんだん自分の生きる場所が狭くなってきた。
(音は似ていると思うのだが、こういう間違いをする事は辛い)

 話は変わるがザリガニの海老蔵がいつの間にか巨大になったエビイチに襲われたらしく右手のハサミが消えていた、おまけに触覚も無くなっていた。エビイチは不気味なほど肥大化した。同時に買ってきたのだが、性別の差か、性格なのか原因は不明だが、エビイチは海老蔵の三倍ほどの大きさになっていた。実に不気味である。家政婦は一度も可愛いと思ったことがないと言っている。私も同感であるが、そのうち食ってやると言う家政婦の意見には賛成しかねる。


同期生の海老蔵(左)とエビイチ(右)


海老蔵をいじめるエビイチ(ヒゲの長さもこれだけ違う)

エビイチ死す!

(お断り・実在の人名と紛らわしいため以降「海老蔵」は「海老三」と改名する)

ある日海老三(えびぞー)のハサミがとれていることに気が付いた。

ハサミだけではない、右腕と言うのか判らんが、右の利き腕、数本なくなっていた。これはエビイチの攻撃によるものではないかと思った私は懲らしめの為に、エビイチを狭い独房に閉じこめ猛省を促した。

翌日は生きていた。二日目の朝、エビイチは独房の中で亡骸となっていた。(小さなタッパーの独房はエビイチにとっては狭すぎたのだろう。悪役だったとはいえ、私は一日落ち込んでしまった)

右の大半を失った海老三


赤くなって居るところがもぎ取られた腕の痕。

バランスを釣ることが出来ない為、普通に石の上を歩いていても海老三はこけてばかりいる。

エビイチの居なくなった水槽には新規加入者として5cmほどのドジョウとカワニナがいる。海老三は今やいじめるものが居ないため水槽の中でのびのびと暮らしている。まるで嘘のような話だが、今の大きさは、かつて海老三をいじめていた頃のエビイチくらいの大きさに成長した。そうして何度か脱皮を繰り返しているうちになくなっていた「ハサミ」「腕」生えてきた。

もう一匹いる「海老治(えびじ)」は我が道を歩んでいる。

居ることは居るが、控えめな生活をしている為に存在感が薄い。

2011年2月

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